Top  > 古今和歌集の部屋  > 巻五

       これさだのみこの家の歌合せのうた 藤原敏行  
295   
   我がきつる  方も知られず  くらぶ山  木ぎの木の葉の  散るとまがふに
          
     
  • まがふ ・・・ 入り乱れてわからなくなること
  
自分が来た方角もわからなくなってしまう、この暗いという名の 「くらぶ山」で、木々の木の葉が散り乱れると、という歌。 72番の読人知らずの「桜花 散りのまがひに 家路忘れて」や、「寛平の御時きさいの宮の歌合せ」の時の 116番の忠岑の「散りかふ花に 道はまどひぬ」の秋バージョンとも考えられる。

  この歌が で方向を失うことを詠っているのに対して、次の読人知らずの歌では、秋の 「野」で迷ったならば、虫の音を頼りにしてみようか、言っている。

 
201   
   秋の野に  道も惑ひぬ   松虫の  声する方に   宿やからまし
     
        「方」という言葉を使った歌の一覧は 201番の歌のページを、「くらぶ山」を使った歌の一覧は 39番の歌のページを参照。

 
( 2001/11/01 )   
(改 2004/03/09 )   
 
前歌    戻る    次歌