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       題しらず 在原元方  
1062   
   世の中は  いかにくるしと  思ふらむ  ここらの人に  うらみらるれば
          
     
  • ここらの ・・・ 多くの
  
「世の中」というものは、どんなに苦しい思いをしているだろう、これだけ多くの人に恨まれていることを思えば、という歌。 906番や 1090番にある、「人ならば」という言葉を補って考えるとわかりやすい。この歌に続く、次の歌も同じように 「年」を擬人化したものである。

 
1063   
   何をして  身のいたづらに  老いぬらむ    年の思はむ   ことぞ やさしき  
     
        「ここら」という言葉を使った歌を一覧にしておくと次の通り。

 
     
109番    誰におほせて  ここら鳴くらむ  素性法師
203番    誰をまつ虫  ここら鳴くらむ  読人知らず
359番    ここらの年を  あかずもあるかな  紀友則
1062番    ここらの人に  うらみらるれば  在原元方


 
( 2001/11/06 )   
(改 2004/02/20 )   
 
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