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       題しらず 読人知らず  
1063   
   何をして  身のいたづらに  老いぬらむ  年の思はむ  ことぞやさしき
          
     
  • やさし ・・・ 肩身が狭い、恥ずかしい
  
何をしてこの身は無駄に老いてしまったのだろう、「年」がそれをどう思うかと想像すると身が細る思いだ、という歌。

 "やさし" は 「痩(や)す」の形容詞化されたものとされ、現在の 「優しい」以外の意味もあり、この歌では 「恥ずかしい」というニュアンスで使われている。ただ、何故 「年」に対して 「恥ずかしい」と思うのか、その理由がわかりづらい。恐らく年老いて身が細くなるということを、「痩す」に掛けただけではないかと思われる。

 
( 2001/11/06 )   
(改 2004/02/20 )   
 
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