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       題しらず 読人知らず  
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   名取川  瀬ぜのむもれ木  あらはれば  いかにせむとか  あひ見そめけむ
          
     
  • 瀬ぜ ・・・ 河瀬
  • むもれ木 ・・・ 土の中に埋もれて炭化した木 (埋もれ木)
  "名取川" を 「名を取る」(=評判になる)と掛けて、
その河瀬の埋もれ木が露わになるように、二人の間が世間に知れたら一体どうするつもりで、自分たちは親しくなったのだろうか、という歌。 "いかにせむとか  あひ見そめけむ" という部分がわかりづらい。関係が露見することを恐れている感じと思われる。 「名取川」は現在の宮城県名取市閖上(ゆりあげ)を流れる名取川。

  この歌は二人の恋がこれからどうなってしまうのだろう、という不安を詠ったものだが、同じ川でも 「水無瀬川」を使った恋歌五の 760番の読人知らずの 「何に深めて 思ひそめけむ」という歌では、「あひ見る」ことが遠のき 「思ひそめ」たことを後悔するものとなっている。 「あひ見る」ということを詠った歌の一覧については 97番の歌のページを参照。

  どこといって特に特徴のない歌に思えるが、この 「名取川」の歌は藤原定家が八代集からそれぞれ十首づつ選んで編んだ 「八代集秀逸」の中で選ばれているものの一つである。その他の九首については 365番の歌のページを参照。

 
( 2001/10/16 )   
(改 2004/03/09 )   
 
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