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       題しらず 読人知らず  
504   
   我が恋を  人知るらめや  しきたへの  枕のみこそ  知らば知るらめ
          
     
  • しきたへの ・・・ 主に枕など寝具に掛かる枕詞
  
この恋しい気持ちを誰が知るだろうか、もし知っているものがあるとするなら、それはただ枕だけが知っているだろう、という歌。ここでの 「人」は恋の相手がメインだが、一般的に 「どんな人も」という感じであろう。 「しきたへ(敷栲)」は、敷いて寝る布のことで、ここでは 「枕」の枕詞。

  "人知るらめや" と出して"知らば知るらめ" と結んでいるところが面白い。 「人知るらめや」という言葉を使った歌の一覧は 485番の歌のページを参照。 "知らば知るらめ" に似た言い方としては、「折る」を使った 64番(折らば折りてめ)や 277番(折らばや折らむ)、「散る」を使った 74番(散らば散らなむ)や 78番(散らば散らなむ)などがある。

  この歌は「枕が思いを知る」という歌としては原型ともいえるもので、よりひねりを加えたものが次の平貞文や伊勢の歌に見られる。

 
670   
   枕より    また知る 人も  なき恋を  涙せきあへず  もらしつるかな
     
676   
   知る と言へば  枕だにせで   寝しものを  塵ならぬ名の  空に立つらむ
     
        また、「我が恋を」で始まる歌としては、恋歌三に次の友則の歌があって、これは上記の貞文の 
「枕−涙」の歌と少し感じが似ている。

 
668   
   我が恋を   しのびかねては  あしひきの  山橘の  色にいでぬべし
     

( 2001/10/11 )   
(改 2004/02/24 )   
 
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