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       男の、人の国にまかれりけるまに、女にはかにやまひをして、いと弱くなりにける時、よみおきて身まかりにける 読人知らず  
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   声をだに  聞かで別るる  たまよりも  なき床に寝む  君ぞかなしき
          
     
  • たま ・・・ たましい
  詞書の意味は 「ある男が他国に行っている間に、その妻が急病で倒れ、とても弱っていた時、詠んで残した後に亡くなった」ということ。

  
声さえも聞けずに死に別れる自分の魂よりも、帰ってきて私のいない床に寝るあなたのことが気がかりです、という歌。 "たま" という言葉に、もう体の自由がきかない、というニュアンスが感じられるような気もする。 「だに」という言葉を使った歌の一覧については 48番の歌のページを参照。
どこか 994番の「たつた山 夜半にや君が ひとりこゆらむ」という読人知らずの歌を思い出させる。

  「かなし」という言葉を使った歌の一覧は 578番の歌のページを参照。

 
( 2001/11/20 )   
(改 2004/02/10 )   
 
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