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       題しらず 読人知らず  
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   よるべなみ  身をこそ遠く  へだてつれ  心は君が  影となりにき
          
     
  • よるべ ・・・ 身を寄せてゆく所 (寄る辺)
  • へだてつれ ・・・ 隔たっているけれど
  
近づく所(きっかけ)がないので、身は遠く離れていても心はあなたの影のようになったのです、という歌。 "よるべなみ" は 「よるべ+な+み」で 「み」は理由を表す接尾語。同じかたちの歌の例は 50番の歌のページを参照。 "影となりにき" の 「にき」は、完了の助動詞「ぬ」の連用形+過去の助動詞「き」がついたもので、他の歌で使われている例については 226番の歌のページを参照。

  「遠いところ(関係)」「寄る」といえば、誹諧歌に「いとこなりける男によそへて人のいひければ」という詞書の久曽(くそ)という名の女性の歌がある。

 
1054   
   よそながら   我が身に糸の  よる と言へば  ただいつはりに  すぐばかりなり
     
        また、この歌には 「一歩間違えばストーカー」という雰囲気があるが、それをさらに濃厚に出したものとしては、728番に「曇り日の 影としなれる 我なれば」という下野雄宗(しもつけのおむね)の歌がある。

 
( 2001/11/05 )   
(改 2004/01/23 )   
 
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