Top  > 古今和歌集の部屋  > 巻二十

       ひたちうた 読人知らず  
1095   
   つくばねの  このもかのもに  かげはあれど  君が御影に  ますかげはなし
          
     
  • このもかのも ・・・ こちらの面、あちらの面
  • 御影 ・・・ 姿
  
「つくばね」のあちらこちらに影はあるが、あなたの「御影」に優る影はない、という歌。 「ひたち」は常陸で、現在の茨城県のあたり。 "つくばね" (筑波嶺)は、筑波山。

  この歌の場合、「御影」は庇護ということだが、次の小野篁の哀傷歌の 「御影」は主に面影ということであろう。 "ますかげ" の 「ます」は 「勝(ま)す」か。

 
845   
   水の面に  しづく花の色  さやかにも  君が御影の   思ほゆるかな
     

( 2001/12/05 )   
(改 2004/02/23 )   
 
前歌    戻る    次歌