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       みちのくのうた 読人知らず  
1093   
   君をおきて  あだし心を  我がもたば  末の松山  浪も越えなむ
          
     
  • あだし心 ・・・ 浮気心 (徒し心)
  
あなたをさしおいて、自分が他の人に思いをかけるようなことあれば、「末の松山」を波も越えるでしょう、という歌。ありえないことを引き合いに出して、決意の強さを言っている。 "末の松山" は宮城県多賀城市の末松山寶國寺のものが有名だが、はっきりとは特定できない。他に "末の松山" 
を使った歌としては、次の藤原興風の歌がある。

 
326   
   浦近く  降りくる雪は  白浪の  末の松山   越すかとぞ見る
     
        また、"あだし心" は 「あだごころ(徒心)」と同じで、一つの名詞とされている。それからすれば、「あだしころ・を」なのであろうが、「あだし」を形容詞と見て「あだし・ころを」と読んだ方が、調べがすっきりするような気もする。 「あだ」という言葉を使った歌の一覧は 62番の歌のページを参照。

 
( 2001/11/29 )   
(改 2004/03/16 )   
 
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