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       かへしもののうた 大友黒主  
1086   
   近江のや  鏡の山を  立てたれば  かねてぞ見ゆる  君が千歳は
          
     
  • かねて ・・・ 先に
  
近江の国の鏡の山を立てて見れば、そこにすでに御身の千歳の姿が映っております、という歌。

  この歌は左注に 「これは今上の御べの近江のうた」とあり、「今上の御べ」とは 「今上天皇の大嘗会」ということである。古今和歌集成立当時の 「今上天皇」は醍醐天皇であり、その大嘗会は 897年で当時天皇は十三歳。

  "近江のや" の 「や」は間投助詞で、意味的には 「近江の鏡の山」と続く。この歌の場合は間に 「の」が入っているが、「地名+や」というかたちを持つ歌の一覧は 871番の歌のページを参照。

  "鏡の山" は現在の賀県蒲生郡竜王町にある鏡山で、次の読人知らずの歌でも詠まれている。

 
899   
   鏡山   いざ立ち寄りて  見てゆかむ  年へぬる身は  老いやしぬると
     
        「かねて(予ねて)」という言葉を使った歌の一覧は 253番の歌のページを参照。

 
( 2001/12/10 )   
(改 2004/02/23 )   
 
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