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       かへしもののうた 読人知らず  
1082   
   まがねふく  吉備の中山  帯にせる  細谷川の  音のさやけさ
          
     
  • まがねふく ・・・ 吉備の枕詞 (真金吹く)
  • さやけさ ・・・ 澄んでいる様 (清けさ)
  
「吉備の中山」が帯としている 「細谷川」の音の澄んでいることよ、という歌。

  左注に 「このうたは、承和の御べの吉備の国のうた」とある。その意味は、仁明天皇の大嘗会の時の吉備の国の歌、ということ。仁明天皇の大嘗会が行なわれたのは833年。 「吉備の中山」も 
「細谷川」も現在の岡山県岡山市あたりの山と川であろうとされているが、仔細は不明。万葉集・巻七1102に、この歌とほとんど同じ歌がある。

    大君の  御笠の山の  帯にせる  細谷川の  音のさやけさ

  「清か」(=はっきりとしている)ということを詠った歌の一覧は 169番の歌のページを参照。

 
( 2001/11/28 )   
(改 2004/03/09 )   
 
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