Top  > 古今和歌集の部屋  > 巻二十

       かへしもののうた 読人知らず  
1083   
   みまさかや  久米のさら山  さらさらに  我が名は立てじ  万代までに
          
     
  • さらさらに ・・・ まったく
  
美作の 「久米のさら山」の名の通り、さらさら自分の名を立てようとは未来永劫思いません、という歌。 "さらさら" という語感・音感が面白い。

この歌は左注に 「これは水の尾の御べの美作の国のうた」とある。 「水の尾の御べ」とは「清和天皇の大嘗会」ということであり、その大嘗会が行われたのは 859年である。 「久米のさら山」は、現在の岡山県津山市付近の山とされているが、仔細は不明。

  "みまさかや" の 「や」は間投助詞。 「地名+や」というかたちを持つ歌の一覧は 871番の歌のページを参照。 「我が名/立てじ」という歌としては、649番に「君が名も 我が名立てじ」という読人知らずの歌がある。また、続く 「美濃の国」の歌もこの歌と同じく 「万代までに」という言葉で結ばれている。

 
1084   
   美濃の国  せきの藤川  絶えずして  君につかへむ  万代までに  
     

( 2001/10/18 )   
(改 2004/02/22 )   
 
前歌    戻る    次歌