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       題しらず 読人知らず  
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   あしひきの  山のまにまに  隠れなむ  うき世の中は  あるかひもなし
          
     
  • まにまに ・・・ ままに・まかせて
  • かひ ・・・ 価値 (効)
  
山のあるがままの状態で、そこに隠れ住んでしまいたい、この憂き世の中はいる価値もないから、という歌。

  "まにまに" という言葉は「間に間に」のようでもあるが、129番の歌に 「水のまにまに 」とあるので 「それに任せて」という感じである。水の流れに任せてというのはわかるが、山に任せてというのは少しわかりづらい。後半の 「かひ」が 「効(かい)−峡(かい)」の掛詞になっていて、「憂き世の中」には 「効」がないが、山には 「峡(=山の間の狭い場所)」があるから、その山の姿のままに 「峡」を求め歩き、そこに隠れてしまおう、という感じか。

  「効(かい)−峡(かい)」を使った歌には、誹諧歌に 1057番の読人知らずの「あしひきの 山のかひなく なりぬべらなり」という歌と 1067番の躬恒の「あしひきの 山のかひある 今日にやはあらぬ」という歌がある。

 
( 2001/11/14 )   
(改 2004/02/06 )   
 
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