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       難波にまかれりける時よめる 紀貫之  
916   
   難波潟  おふる玉藻を  かりそめの  海人とぞ我は  なりぬべらなる
          
     
  • おふる ・・・ 生える
  • 玉藻 ・・・ 藻草
  
難波潟に来てみると、まるで自分もパートタイムの海人になったような気がする、という歌。 「仮そめ」という言葉を引き出すために、「刈り初め」に合わせた "玉藻" を置き、それを "難波潟"と結合させて、全体を自然に流している。

  「かりそめ」という言葉が使われている他の歌については 842番の歌のページを参照。また、「べらなる」という言葉を使った歌の一覧については 23番の歌のページを参照。 「難波潟」という言葉を使った歌としては、他に次の二つの読人知らずの歌がある。

 
913   
   難波潟   潮満ちくらし  雨衣  たみのの島に  たづ鳴き渡る
     
974   
   難波潟   うらむべきまも  思ほえず  いづこをみつの  海人とかはなる
     

( 2001/08/30 )   
(改 2004/02/03 )   
 
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