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       題しらず 読人知らず  
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   心こそ  うたてにくけれ  染めざらば  うつろふことも  惜しからましや
          
     
  • うたて ・・・ どうにも
  • にくけれ ・・・ 気に入らない
  
心というものは、まったく頭に来る、思い染めていなければ、相手の気持ちが変わったとしても惜しいことがあるだろうか、という歌。

  色に譬えて 「染む/うつろふ」と言っているのだが、「染めなければうつろわないのに」と言うところを "惜しからましや" とわざわざ 「惜し」を使っているところに未練の思いを感じさせる。また、この歌は言葉遣いとしては、恋歌四にある 685番の「心をぞ わりなきものと 思ひぬる」という歌を思い出させる。

  「にくし」という言葉を使った他の歌としては、631番に「人にくからぬ 世にしすまへば」という読人知らずの歌がある。 「うたて」という言葉を使った歌の一覧については 47番の歌のページを、「うつろふ」という言葉を使った歌の一覧については 45番の歌のページを参照。

  "惜しからましや"は「惜しから+まし+や」で、未然形が 「から」となるク活用・シク活用の形容詞+「まし」というかたちを持つ歌の一覧は 712番の歌のページを、「ましや」というかたちを持つ歌の一覧は 118番の歌のページを参照。

 
( 2001/11/28 )   
(改 2004/01/21 )   
 
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