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       題しらず 清原深養父  
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   心をぞ  わりなきものと  思ひぬる  見るものからや  恋しかるべき
          
     
  • わりなきもの ・・・ 道理に合わないもの
  
自分の心ながら道理に合わないものと思った、逢っていれば恋しいはずもないのに、という歌。

  "見るものからや  恋しかるべき" の 「ものから」はここでは逆接の意味で 「〜だけれど」ということ。 「や」は反語を表す。 "恋しかるべき" は 「恋しく+あるべき」で 「恋しいのが当然である、恋しいに違いない」ということだが、その前に反語の 「や」があるので意味が反転する。 「逢っているのに+恋しいということがあるものか」ということで、それをそうと感じない心を "わりなきもの" と言っている。よって、実際の心は 「逢っているのに+恋しい」と思っているわけである。ややこしい歌である。 「〜かるべし」という表現を使った歌の一覧については 270番の歌のページを参照。 「ものから」という言葉を使った歌の一覧は 147番の歌のページを参照。

 
( 2001/11/22 )   
(改 2003/02/13 )   
 
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