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       題しらず 源宗于  
788   
   つれもなく  なりゆく人の  言の葉ぞ  秋より先の  もみぢなりける
          
        つれなくなってゆくあなたの言葉こそが、秋より先に色の変わる紅葉だったのですね、という歌。 
688番の読人知らずの「秋をへて 色もかはらぬ ものにはあるらむ」、 763番の読人知らずの「君が心に 秋や来ぬらむ」、 782番の小野小町の「今はとて 我が身時雨に ふりぬれば」という歌など、似たような歌も多い。 「言の葉」という言葉が使われている歌の一覧については 688番の歌のページを参照。

  今わかった、という感じの口調という点では、778番の「松は苦しき ものにぞありける」という読人知らずの歌や 573番の「冬もこほらぬ みなわなりけり」という貫之の歌などにも似ている。

  また、同じ宗于(むねゆき)の 801番の歌に 「つれもなき 人の心に 霜は置かなむ」というものがある。 「つれもなき人/つれなき人」を詠った歌の一覧については 486番の歌のページを参照。

 
( 2001/11/06 )   
(改 2004/01/20 )   
 
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