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       山にのぼりてかへりまうできて、人々別れけるついでによめる 幽仙法師  
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   別れをば  山の桜に  まかせてむ  とめむとめじは  花のまにまに
          
     
  • まにまに ・・・ ままに
  幽仙法師は836年生れ、900年没。 890年権律師、895年正律師。律師は僧正、僧都に続く三番目の僧官の位。僧正遍照は 816年生れなので、幽仙はその二十歳年下ということになる。

  詞書は、「比叡山に登って帰ってきて人々と別れる時に詠んだ」歌ということ。山を案内していたものか。歌の方は、
別れのことは山の桜にまかせましょう、引き止めるかどうかは花のままに、ということで、花を心残りに思う方はしばらくお泊り下さいという挨拶のような感じである。

  「まかす(任す)」という言葉を使った歌の一覧については 87番の歌のページを参照。

  「まにまに」という言葉を使った歌には 129番の深養父の歌などがあり、離別歌としては二つ前の391番に藤原兼輔の「雪のまにまに あとはたづねむ」という歌がある。

 
( 2001/11/14 )   
(改 2004/01/27 )   
 
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