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       題しらず 読人知らず  
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   かぎりなき  雲ゐのよそに  わかるとも  人を心に  おくらさむやは
          
     
  • 雲ゐ ・・・ 雲の遠く
  
はてしない雲の、そのまた遠くに別れても、心の中ではあなたを遠い場所に置き去りにするものか、という歌。旅行く人の側の歌であろう。 "雲ゐ" という言葉で 「目には見えなくなってしまうけれど」という感じを表わしている。 「かぎりなし」という言葉を使った歌の一覧は 187番の歌のページを、「よそ」という言葉を使った歌の一覧については 37番の歌のページを参照。

  "人を心に  おくらさむやは" という部分が少しわかりづらいが、 「おくらす(後らす)」は 「後に残してゆく」ということ。 「やは」は詠嘆のニュアンスを持った反語である。 「やは」を使った歌の一覧については 106番の歌のページを参照。

 
( 2001/11/21 )   
(改 2004/02/24 )   
 
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