Top  > 古今和歌集の部屋  > 巻七

       良岑のつねなりが四十の賀にむすめにかはりてよみ侍りける 素性法師  
356   
   万代を  松にぞ君を  祝ひつる  千歳のかげに  住まむと思へば
          
        詞書にある 「良岑のつねなり」は、良岑ということで素性の親類であろうが仔細不明で、その娘との関係もわからない。

  歌の意味は、
あなたの長寿を松に願ってお祝いします、その千歳の庇護の下で過してゆこうと思いますから、ということ。詞書と合わせて見れば、父親を 「万代」までとし、その恩恵を受ける娘もまたずっと一緒に長生きをする、という父娘を両建てで持ち上げたかたちの歌であると言える。 "祝ひつる" の 「つる」には 「鶴」が掛けられていると見るのが一般的で、「松」と 「鶴」を配した絵などの贈り物につけられたものとも考えられる。

  「鶴」を詠った歌の一覧は 919番の歌のページを参照。

 
( 2001/12/05 )   
(改 2004/02/12 )   
 
前歌    戻る    次歌