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       さくらのごととく散る物はなし、と人のいひければよめる 紀貫之  
83   
   桜花  とく散りぬとも  思ほえず  人の心ぞ  風も吹きあへぬ
          
     
  • 思ほえず ・・・ 思われない (思ほゆ)
  • あへぬ ・・・ 〜できない
  「桜のように早く散るものはない」とある人が言ったのに対し、答えたもので、
桜の花が早く散るとも思えません、人の心の方が風も吹く間もなく散ってしまうものですから、という歌。

  「どう? うまいこと言ったでしょう」という感じの軽い歌で、誹諧歌にあってもおかしくない気もするが、古今和歌集の配列から言えば、82番と 84番の間にあって、「しづ心なし」が続くのを防ぐクッションの役割をしている。

  「思ほゆ」は自然と思われる、ということで、それを使った歌の一覧については 33番の歌のページを参照。また、「人の心」という言葉を使った歌の一覧については 651番の歌のページを、「あへぬ」という言葉を使った歌の一覧については 7番の歌のページを参照。

 
( 2001/12/06 )   
(改 2004/03/10 )   
 
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