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       題しらず 藤原興風  
1053   
   何かその  名の立つことの  惜しからむ  知りて惑ふは  我ひとりかは
          
        どうして噂に上ることを惜しむだろうか、事実を知って困惑するのは、自分一人ではあるまい、という歌。一つ前の 1052番の歌に続き、何を言いたいのかよくわからない歌である。

  前半は、評判が立っても惜しくない、と強がりながら、 "知りて惑ふは 我ひとりかは" ということは、自分もその評判によって傷つくことを覚悟しているのであろう。古今和歌集の中の歌ではないが、719番の歌のページにあげている 「兼輔集」の中の歌の 「うきに遅れて 知るは我かは」というフレーズは、この歌の後半と口ぶりが似ているように思われる。

 
( 2001/12/03 )   
(改 2004/02/19 )   
 
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