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       題しらず 読人知らず  
898   
   とどめあへず  むべも年とは  いはれけり  しかもつれなく  すぐる齢か
          
     
  • むべ ・・・ 本当に、まさしく
  • しかも ・・・ このように
  
留められず、まさに 「疾し」とはよく言ったものだ、このように人の気も知らないで過ぎてゆく齢であるよ、という歌。

  "年" に 「疾し」を掛けている。似たような歌に 893番の「かぞふれば とまらぬものを 年といひて」の歌があり、 "すぐる齢" という言葉を使った歌としては、次の読人知らずの歌がある。

 
896   
   さかさまに  年もゆかなむ  とりもあへず  すぐる齢や   ともにかへると
     
        「あへず」という言葉を使った歌の一覧は 7番の歌のページを、「つれなし」という言葉を使った歌の一覧は 486番の歌のページを参照。また、「しかも」という言葉を使った歌の一覧は 94番の歌のページを参照。

 
( 2001/11/29 )   
(改 2004/01/30 )   
 
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