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       題しらず 伊勢  
733   
   わたつみと  荒れにし床を  今さらに  はらはば袖や  泡と浮きなむ
          
     
  • わたつみ ・・・ 海
  
独り寝の苦しさに海のように荒れた床を、今更あなたが来るかのように払っても、払う袖は涙の海に泡のように浮くでしょう、という歌。 「床を払う」とは寝床を整えるということ。 "泡" は空しい気持ちを譬えているようである。 「床を払う」という歌としては他に、次の読人知らずの歌がある。

 
815   
   夕されば  人なき床を    うちはらひ   なげかむためと  なれる我が身か
     
        「荒れたるもの」を詠った歌の一覧は 237番の歌のページを参照。

 
( 2001/12/04 )   
(改 2004/01/23 )   
 
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