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       題しらず 紀友則  
684   
   春霞  たなびく山の  桜花  見れどもあかぬ  君にもあるかな
          
        春霞がたなびく山の桜花のように、いくら見ても飽きないあなたです、という歌。

  三句目までは 69番の読人知らずの春歌と同じであり、「見れどあかぬ花」ということでは、1008番の「春されば 野辺にまづ咲く 見れどあかぬ花」という読人知らずの旋頭歌が連想される。それらからすると、古風な味付けをした替え歌のようだが、歌の調べは素直で柔らかく、わかりやすい。
 「春霞」を詠った歌の一覧は 210番の歌のページを参照。

 
( 2001/12/06 )   
(改 2004/02/26 )   
 
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