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       題しらず 読人知らず  
223   
   折りてみば  落ちぞしぬべき  秋萩の  枝もたわわに  置ける白露
          
     
  • たわわに ・・・ たわむほどに
  
折って見ようとすると落ちてしまうに違いない、秋萩の枝がたわむほどのこの白露は、という文字通りの歌。この歌の "落ちぞぬべき" の「し」は、「古今和歌集の解釈と文法」 (1984 金田一京助・橘誠 明治書院) によれば「為(す)」の連用形ということである。ただこの歌の場合、「落ち+ぬべし」の間に入った強調の副助詞「し」であると見てもよいような気もする。

  この歌の一つ前には次の読人知らずの歌があって、その内容は非常に似ている。

 
222   
   萩の露   玉にぬかむと  とればけぬ  よし見む人は  枝ながら見よ  
     
        「萩」を詠った歌の一覧は 198番の歌のページを参照。

 
( 2001/11/12 )   
(改 2004/01/19 )   
 
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