Top  > 古今和歌集の部屋  > 巻四

       題しらず 読人知らず  
222   
   萩の露  玉にぬかむと  とればけぬ  よし見む人は  枝ながら見よ
          
     
  • よし ・・・ 詠嘆を表わす間投助詞
  この歌は左注に「ある人のいはく、このうたは奈良の帝の御うたなりと」とある。 「奈良の帝」は平城天皇と見てよいだろう。

  
萩の露を玉として糸を通そうと思って取り上げたら消えてしまった、なるほどしかたがない、これを愛でたい人は枝にあるまま見なさい、という歌。自分の失敗を見せて人に言うという戯れ歌のようにも見える。

  露が玉だという歌は他にもあるが、この歌の近くで捜せば、225番に文屋朝康の「つらぬきかくる くもの糸すぢ」という歌がある。人と蜘蛛との比較として並べて見ても面白いだろう。 「萩」を詠った歌の一覧は 198番の歌のページを参照。

 
( 2001/11/12 )   
(改 2004/01/19 )   
 
前歌    戻る    次歌