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       とりもののうた 読人知らず  
1077   
   み山には  あられ降るらし  と山なる  まさきのかづら  色づきにけり
          
     
  • み山 ・・・ 山の美称
  • と山 ・・・ 人里に近い山・連山のはずれにある山 (外山)
  • まさきのかづら ・・・ キョウチクトウ科のテイカカズラ
  
遠いあの山ではあられが降っているらしい、この山の「まさきのかづら」が色づいている、という歌。この歌は一つ前の次の歌と同じく 「葛(かづら)」用の 「採物」の歌である。 「採物」については 1074番の歌のページを参照。

 
1076   
   まきもくの  あなしの山の  山びとと  人も見るがに  山かづら せよ
     
        「まさきのかづら」は仮名序にも 「まさきのかづら長く伝はり」と 「長く」に掛かる枕詞として使われている。 「降るらし」という言葉を使った歌をまとめてみると次の通り。

 
     
284番    みむろの山に  時雨降るらし  読人知らず
317番    吉野の山に  み雪降るらし  読人知らず
1077番    み山には  あられ降るらし  読人知らず


 
        「色づきにけり」という言葉を使った歌の一覧については 256番の歌のページを参照。

 
( 2001/11/19 )   
(改 2004/02/22 )   
 
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