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       題しらず 読人知らず  
989   
   風の上に  ありかさだめぬ  塵の身は  ゆくへも知らず  なりぬべらなり
          
        風に吹かれて居場所も定まらない、塵のようなこの身は、もうどちらに行くのかさえわからなくなってしまったようだ、という歌。

  "風の上に" という出だしが効いている。似たような内容の歌に 286番の「ゆくへさだめぬ 我ぞかなしき」という読人知らずの歌があるが、そちらは 「秋風/紅葉」という道具立てがしっかりしていて、この歌の漂泊する感じとはまた違った趣きがある。この歌の他に 「行方知れず」と詠った歌には次のようなものがある。

 
611   
   我が恋は  ゆくへも知らず   はてもなし  あふをかぎりと  思ふばかりぞ
     
988   
   あふ坂の  嵐の風は  寒けれど  ゆくへ知らねば   わびつつぞ寝る
     
996   
   忘られむ  時しのべとぞ  浜千鳥  ゆくへも知らぬ   跡をとどむる
     
        「ゆくへ」という言葉を使った歌の一覧は 80番の歌のページを、「べらなり」という推測を表わす助動詞を使った歌の一覧については 23番の歌のページを参照。

 
( 2001/10/16 )   
(改 2004/02/09 )   
 
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