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       題しらず 読人知らず  
752   
   見てもまた  またも見まくの  ほしければ  なるるを人は  いとふべらなり
          
     
  • 見まく ・・・ 見ること
  
逢えばまた逢いたくなるので馴れ親しむのをあの人は嫌がっているのだろう、という歌。

  屈折した物言いの歌である。恋の盛りには 684番の友則の歌のように「見れどもあかぬ 君にもあるかな」と言われていたのであろう。こういう場合には、続く次の友則の歌のように駄洒落含みであった方が救われる。

 
753   
   雲もなく  なぎたる朝の  我なれや  いとはれて のみ  世をばへぬらむ
     
        あるいは、いっそのこと 900番の業平朝臣母の歌の後半と続けてしまって、「見てもまた またも見まくの ほしければ いよいよ見まく ほしき君かな」とでもしてしまった方がすっきりする。 「見まくほし」という表現を使った歌の一覧は 620番の歌のページを、「べらなり」という言葉が使われている歌の一覧は 23番の歌のページを参照。

 
( 2001/10/15 )   
(改 2004/01/29 )   
 
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