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       題しらず 読人知らず  
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   ちぢの色に  うつろふらめど  知らなくに  心し秋の  もみぢならねば
          
        あなたの気持ちはさまざまな色に変わりながら、私から離れてゆくのでしょう、でもそれは私にわからないのですね、人の心は秋の紅葉ではないのですから、という歌。万華鏡は外からではわからない、という感じか。

  この歌の場合、 "知らなくに" は、"心し秋の もみぢならねば"が意味的には前に回る倒置と考えられ、「なくに」は文末/区切りにあって否定の詠嘆の意味を表わす。 「〜なくに」という言葉を使った歌の一覧は 19番の歌のページを参照。 「うつろふ」という言葉を使った歌の一覧については 45番の歌のページを参照。

 
( 2001/12/05 )   
(改 2004/01/12 )   
 
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