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       題しらず 読人知らず  
701   
   天の原  ふみとどろかし  なる神も  思ふなかをば  さくるものかは
          
     
  • なる神 ・・・ 雷
  
天空で大きな音を響かせる雷も、思い合う二人の仲を裂けるものではない、という歌。

 "さくるものかは" という言葉によって、雷が落ちて木を切り裂くイメージを使っていると思われる。この歌は恋歌四にあって、恋に夢中な状態での強気の発言であり、恋歌全体の中でもここがピークと考えてもよさそうである。他に 「なる神」を使った歌としては、恋歌一に次の貫之の歌がある。

 
482   
   あふことは  雲ゐはるかに  なる神の   音に聞きつつ  恋ひ渡るかな
     

( 2001/10/17 )   
(改 2004/01/09 )   
 
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