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       題しらず 藤原忠行  
680   
   君と言へば  見まれ見ずまれ  富士の嶺の  めづらしげなく  もゆる我が恋
          
     
  • 見まれ見ずまれ ・・・ 見ようと見まいと関係なしに
  • めづらしげなく ・・・ 変わることなしに
  藤原忠行は生年不詳、没年906年。890年従五位下。古今和歌集に採られている歌はこの一首のみ。
あなたのことといえば、逢おうと逢うまいと、富士の山の火のように、常にこの心は恋しい思いで燃えます、という歌。

  "君と言へば" という部分が少しわかりづらいが、その名を口に出したり、ふと誰かが言っているのを耳にしたりすると、という感じであろう。 「〜と言へば」という表現を使った歌の一覧は 635番の歌のページを参照。 "見まれ見ずまれ" の 「まれ」は 「も+あれ」が短縮されたもの。この歌に続けて 「見ゆとは見えじ」という伊勢の 681番の歌が置かれている。

 
( 2001/10/17 )   
(改 2004/01/23 )   
 
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