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       題しらず 凡河内躬恒  
636   
   長しとも  思ひぞはてぬ  昔より  あふ人からの  秋の夜なれば
          
     
  • 思ひぞはてぬ ・・・ よく考えてもそうは思わない
  
あなたに逢っている間は長くてたまらないとは思いません、昔から、逢う人によって感じ方が変わる秋の夜だといいますから、という歌。

  "昔より" というのは、そういう諺があったとも考えられるが、一つ前の635番の小町の歌や、万葉集・巻十2303の次の歌のように 「恋しい人と逢っていると短く感じることもある」ということから、
"思ひぞはてぬ" と言っているのだとも考えられる。

    秋の夜を 長しと言へど  積もりにし 恋を尽せば 短くありけり

 
( 2001/10/25 )   
(改 2004/01/02 )   
 
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