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       題しらず 読人知らず  
498   
   我が園の  梅のほつえに  うぐひすの  音に鳴きぬべき  恋もするかな
          
     
  • 園 ・・・ 草木を植えた場所・庭園
  • ほつえに ・・・ 上の方の枝 (上枝・秀つ枝)
  
家の庭の梅の上枝に鳴くウグイスのように声を上げて、泣いてしまいそうな恋をすることかな、という歌。 「恋もするかな」という言葉を使った歌の一覧は 490番の歌のページを参照。

  "園" という言葉が古風な趣きを感じさせる。万葉集ではいくつかの歌があるが、 "園" という言葉を使っているのは古今和歌集ではこの歌だけである。また 「ほつえ」に対して下の枝は 「しづえ(下枝)」であるが、これも古今和歌集で他に使われている歌はない。

  「鳴く」が 「泣く」に掛けられていて、「音に泣きぬべき」とは、声に上げて泣いてしまいそうな、という意味。次の躬恒の歌は春歌下に置かれているが、「しるしなき(=効果が無い)音を鳴く」という点で、この歌にも通じているような気もする。

 
110   
   しるしなき  音をも鳴くかな    うぐひすの   今年のみ散る  花ならなくに
     
        「音に鳴く」という表現を持つ歌の一覧は 150番の歌のページを参照。

 
( 2001/11/15 )   
(改 2004/03/08 )   
 
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