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       秋のうたとてよめる 在原元方  
261   
   雨降れど  露ももらじを  笠取りの  山はいかでか  もみぢ染めけむ
          
        雨が降っても露も漏らさぬはずなのに、笠取の山はどうして紅葉に色づいたのだろう、という歌。

  「笠取の山」は、現在の京都府宇治市の笠取山ではなく、その西北西にある京都府京都市伏見区の醍醐山とされる。一つ前の 260番の貫之の歌が 「もる山」で 「漏る」と言っているのに対し、「笠取の山」だから 「漏らないはずなのに」という見立てである。

  "染めけむ" は「初めけむ」と見る説の方が一般的であって、その場合 「どうして山は紅葉しはじめたのか」という過去のきっかけを推量する意味になる。 「染む」と見ると 「染め」は下二段活用の「染む」の連用形なので他動詞となり、「山は(木々を)紅葉に染めたのだろうか」と補う必要がある。どちらがよいか微妙だが、「初む」をメインとした 「染む」との掛詞と見ておく。

 
( 2001/10/04 )   
(改 2004/02/13 )   
 
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