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       梅の花を折りて人におくりける 紀友則  
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   君ならで  誰にか見せむ  梅の花  色をも香かをも  知る人ぞ知る
          
        あなた以外に誰にこの梅の花を見せようか、この色も香りも私たちだけのものにしておきましょう、という歌。作者が女性であったらエロティックな歌になるところである。 "知る人ぞ知る"という表現に似たものは、万葉集の巻二99番の歌に

    梓弓  弦緒(つらを)取りはけ  引く人は  後の心を  知る人ぞ引く

とある他、古今和歌集の中では、雑歌上の887番の読人知らずの歌に「もとの心を 知る人ぞくむ」という歌がある。

 
( 2001/12/06 )   
(改 2003/10/11 )   
 
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