Top
>
古今和歌集の部屋
>
巻二十
伊勢うた
読人知らず
1099
おふのうらに 片枝さしおほひ なる梨の なりもならずも 寝てかたらはむ
片枝さしおほひ ・・・ 片方の枝を覆って
「おふの浦」に片方の枝を覆うほどたくさん生っている梨は、「なし」なのに「なる」と言うけれど、二人の恋が実るか実らないかは、まずは一緒に寝て話し合おう
、という歌。 「子供」が授かるかどうか、と言っているようにも見える。 「伊勢うた」ということで "おふのうら" (おふの浦)は伊勢の地名のようだが、その場所は不明。
"さしおほひ" の 「さし」は強調のための接頭語。なぜ片方と特定しているのはわからない。細い枝にたわわに実っているイメージなのか、日当たりの加減でもう片方には生っていないというイメージを表わしているものなのか、あるいは 「おふの浦」でそういう生り方で有名な梨の木だったのか。
( 2001/11/26 )
(改 2004/02/23 )
前歌
戻る
次歌