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       人をとはでひさしうありけるをりにあひうらみければよめる 凡河内躬恒  
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   身を捨てて  ゆきやしにけむ  思ふより  外なるものは  心なりけり
          
        詞書の意味は 「ある人を訪問しないで久しくなっていた時に、お互いに恨みごとがあったので詠んだ」歌ということ。 「あひうらみければ」という部分がどうも釈然としないが、何か口論があって、その結果「とはでひさしうありける」状態になった、と見てみたい。

  歌の意味は、
体を離れて勝手に行ってしまったようだ、本来思ったことより外にあってコントロールできないものは心なのだな、ということ。以前のいさかいは、本心ではなく、ついもののはずみでしたことであるので、仲直りしようよ、ということを遠まわしに言ったものか。

 
( 2001/11/14 )   
(改 2004/02/09 )   
 
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