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       女郎花 紀友則  
437   
   白露を  玉にぬくとや  ささがにの  花にも葉にも  いとをみなへし
          
     
  • ささがに ・・・ 蜘蛛
  「いと
ヲミナヘシ」に女郎花が掛けられていることはすぐわかるが、元の意味がわかりづらい。これは 「糸を+皆+綜(へ)+し」であって、「へ」は、縦糸を延ばして機(はた)で織れるようにするという意味の 「綜(ふ)」という動詞の連用形。よって歌の意味は、白露を珠として貫こうとするのか、蜘蛛が花にも葉にも皆糸を張ったのは、ということになる。

  似たような内容の歌としては、225番の文屋朝康の歌に「秋の野に 置く白露は 玉なれや」という歌がある。

 
( 2001/11/15 )   
 
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